アクリルは、ポリエステルやナイロンと共に3大合成繊維と呼ばれており、天然繊維でいうところのウール(羊毛)の代替とされる合成繊維です。性質を持たせることが出来る為、比較的セーター等の冬物に多く利用されています。

繊維以外にもアクリル板など透明度の高いプラスチック製品で活用されたり、アクリル絵の具として顔料と混ぜて活用されたりしています。

アクリルの特徴

ウールより安く保温性があり、強度、耐久性があります。また、虫食いなどの影響を受けません。そしてウール繊維の特徴であるスケールがないためチクチクしません。また疎水性であるため乾きも早いと言えます。そして鮮やかな染色加工が可能なのことも挙げられます。ここまで来ると良いことづくめでアクリル製品の方が良いのではないかと…

ウールは天然繊維ですので、繊維自体が均一ではありません。そのため生地にした時に独特のナチュラルな風合いになります。対してアクリルは口金から紡糸するため均一で光沢が出ます。均一な光沢が安っぽく感じたりもします。性能だけで考えればアクリルの方が優れていると思います。

アクリルの生産

アクリルの生産量のほとんどは中国であり60万トン以上を生産しています。我が国日本も12万トンと比較的シェアは多いです。

アクリルの分類

アクリルは、アクリル繊維アクリル系繊維に分類されます。ポリアクリロニトリルが85%以上のもをアクリル繊維、ポリアクリロニトリルが35〜85%で塩化ビニルまたは塩化ビニリデンを含むものをアクリル系繊維といいます。アクリル繊維はアクリロニトリルを酢酸ビニルやアクリル酸メチルと共重合させたものです。アクリル系繊維は、塩化ビニルや塩化ビニリデンと共重合しているため、難燃性が向上しています。

アクリルの取り扱い

アクリル製品はウールと異なり基本的には洗濯機で洗うことができます。なぜならウールのように繊維に鱗があり、絡まって縮むことがないからです。強度はウールよりありますが、これが逆にネックになります。毛玉ができてしまうのです。正確に言うと繊維が強いため毛玉が脱落せず残ってしまい、毛玉がいっぱいできてしまうのです。そのため裏返して洗濯ネットに入れて洗うことが好ましいと思います。アクリルは毛玉ができやすいので裏返したほうがいいです。洗剤はおしゃれ着用の中性洗剤を用いるとより長持ちします。水分を含みにくいのでウールより脱水が短くても構いません。