糸は基本的にはボビンに巻かれた状態で提供されます。そのまま使用することもできますがさまざまな付加価値をつけて提供されることがあります。目的は様々で糸の風合いを変えたり、生地を生産する際の助けとなる加工もあります。

仮撚り加工糸

ウーリー加工糸やテクスチャードヤーンと呼んだりもします。化学繊維は熱を加えると変形しやすくなります。その性質を利用して加熱したフィラメント糸に撚りを加えて冷却します。その後撚りを戻すとクセがついた糸になります。この状態をクリンプと言います。クリンプしていることによって、かさ高(ふんわり)になり、伸縮性も付与された糸となります。

インターレース加工糸

高圧の空気を一定の間隔で吹き付けフィラメント同士を絡ませる加工です。仮撚り加工糸に行います。インターレースの一番の目的は撚糸の代替であると言えます。加工していない糸を製織時にタテ糸として使うと隣同士の糸が絡み合ってしまい糸が切れてしまうという問題があります。そのため撚糸を行なって糸を引き締めて絡み合わないようにするのですが、インターレース加工をすれば空気が吹き付けられた場所が交絡して収束します。そのため糸が引き締まるのです。どのくらいの間隔で交絡しているのかが非常に重要です。間隔を広げれば加工速度を上げて安くできますが、糸が引き締まりません。間隔を狭めるとコストが上昇します。さらに交絡していない部分があるのでトラブルに繋がることが多いと思います。製織のタテ糸に用いる際は個人的には撚糸をオススメします。

捲縮糸

主に2つの異なる繊維を混ぜて紡績し、熱をかけます。すると熱収縮率が異なって3次元的にランダムに縮みます。フィラメントの場合は紡糸の際に2種類同時に巻き取ることで作ることができます。