織密度とは、ある面積内にどれだけの糸が詰まっているかを表したものになります。密度が高ければ糸がたくさん入っており、密度が低ければ糸は少ないことを意味します。織物にとっては非常に重要な数字です。
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密度の単位
密度は通常kg/m3が使われますが、織物においては全く異なる単位を用います。考え方は統一されており、1inch(インチ)あたりに何本の糸が入っているかです。単位は以下のように表します。
本/inch
ちなみに1inchは2.54cmです。ウールを使った毛織物に関しては1inchではなく10cmあたりの本数を数える場合もあります。織物はタテ糸とヨコ糸を用いますのでそれぞれついて表す必要があります。
タテ〇〇本/inch 、 ヨコ〇〇本/inch
両方の数字がなければ織物は作れません。
密度が高い=目が詰まった生地ではない
密度はあくまでも糸の本数を表します。なので糸の繊度が高い(太い)場合もあれば低い(細い)場合もあります。つまり目が詰まった生地は密度が高く糸の繊度も高い必要があります。密度が高くても糸が細ければ隙間が空いて見えますよね。
タテ糸密度≧ヨコ糸密度が定石
なぜこの式が成り立つか。必須ではありませんが、この式を成り立たせないと儲かりません…。織物を作るときはヨコ糸をタテ糸の間に挿入し筬打ち(おさうち)を繰り返していきます。機織りのシーンをみたことがある方は想像がつくと思いますが、ヨコ糸密度を高くするということは筬打ちの回数を増やすということになります。生産性を上げるためにはどちらかというとタテ糸よりヨコ糸の密度を低くすることが重要なんです。
密度の測り方
織物を作るときの基本→パクる(訂正:真似をする)が最も効率が良い方法です。作りたいイメージに近い生地を入手し、仕様書に記していきます。密度を測る場合は3通り。確実な順、言い換えると時間がかかる順になりますが以下に記載します。
①分解(破壊)
1インチ角で線を引いてハサミで切ります。そして一本ずつほどいていき分解しながら本数を数えます。わかりやすくするため10本単位でひとまとめにしておくと間違いがなくなります。生地表面から隠れている糸も確実に数えられるため最も正確に測ることができますが、生地を破壊してしまうのが難点です。
②目視(非破壊)
目視にはインチ眼鏡、インチルーペを用いると拡大して数えることができるため便利です。
③デンシメーター(非破壊)
デンシメータ(ルノメータ)の使い方
デンシメータとルノメータはほぼ同じ商品のようです。「電子」メータをイメージされた方は残念。そこまでハイテクではありませんが、大変便利な商品です。透明な板に黒字で上記のような細かい線と数字が印字されています。織物の上に乗せると上写真の赤枠のようにモアレが現れますのでその上の数値を読み取るだけで密度がわかります。モアレの幅が広いので読み手によってプラスマイナス1本程度誤差が出るかもしれません。迅速に読み取ることができますが、注意点があります。
①糸が平行に並んでいないと綺麗にモアレが出ないことがあり読み間違える。
②読み取った値の2倍、2分の1の密度の可能性がある。上の写真の例では74本/inchではなく148本/inchの可能性がある。
③ゲージの範囲外は測定できない(測定できていないのにモアレっぽい箇所を誤って読んでしまう)
デンシメータを用いる際は目視で数えてある程度目処をつけてから使用されることをお勧めします。