色はどうやって合わせるのでしょうか?実は繊維製品に指定の色に合わせて染め上げることは非常に難しいことなのです。なぜなら、いろいろな素材が混じっていることもありますし、生地の構造、凹凸、空隙によっても色味が変わってしまいます。技術が進歩した現在も最終的には見本に合うように何回も修正して合わせ込むほかありません。しかしながらおおよその色味は過去データの蓄積により、コンピュータが自動で調合してかなり近いところまで合わせ込むことができます。

色の基準

色の指示は何でするのでしょうか。いくらPC上でデザインを作っても、それぞれのPCのディスプレイの性能で色味が異なります。プリンタで出力してもプリンタの性能で色がずれてきてしまいます。そのため、色の基準が必要です。色は数値化することができますが、人間は数値から色を認識することができません。そこで統一された色見本が必要となります。メジャーなところではPANTONEでしょう。デザイナーからエンジニアまで広く共通認識として用いられています。この色番で指示をしたり、できあがった製品の色を確認をしたりします。

色の判定

色を判定するために測色計と呼ばれる機器を用いて測定します。主に3種類の体系で測定します。

  1. マンセル表色系  H:色相、V:明度、C:彩度を表す
  2. xyz表色系    X:赤、Y:緑、Z:青の色光、光の明るさはYのみで表す
  3. L*a*b*表色系  L*:明るさ、a* :赤と緑、b*:黄と青

測定器を用いると一瞬で数値がでます。が、厄介なことに、生地の場合、少し位置をずらすだけで、全く異なった値が出てきます。凹凸などにより、光の反射の仕方が異なるためです。n数を増やすのも手ですが、安定した結果が得られない可能性があります。また、色見本が紙媒体で、製品が生地の場合の比較となると、表面の状態が異なるため、難しい判断を迫られます。最終的には人間の目と感覚を大切にするべきです。