ダウンジャケットの選び方

ダウンジャケットの需要は年々高まり、価格も高騰しています。特に中国での需要が爆発的に高まり、良質なダウンが市場に行き渡らず、価格は右肩上がりです。1万円以下のものから20万円を超えるものもあり、ダウンジャケットも2極化が進んでいます。

ダウンジャケットは1930年代、アメリカで誕生しました。製品として初めて手掛けたのはEddie Bauerです。

エディー・バウアー オンラインストア

1980年代 若者の間でモンクレールが流行し、2000年代以降、多様なブランドがダウンジャケットを作るようになります。

定義

さてダウンジャケットですが、定義は「水鳥の羽毛を詰めてキルティングした、防寒用のジャケット」です。水鳥の羽毛=ダウンと呼びますが、水鳥の胸元に生えている放射状の細かい羽毛です。こちらが入っていることが大前提です。外見は似ていますが、綿状の繊維が入っているものはダウンジャケットではありません。こちらはタグ表示を見ればすぐにわかりますし、触り心地でもわかると思います。

ダウンとフェザー

ダウンジャケットのタグを見るとダウンとフェザーが含まれています。基本的にはダウンが多い方が良質です。軽くて嵩高な性質があります。化繊などを使ったりしてダウンの代替を試みた製品もありますが、人工的に作られたもので、軽量、暖かさ、触感がダウンを超えるものは今のところ市場には無いように思います。ダウンは少なくとも80%以上の含有率が良いでしょう。フェザーは羽軸と呼ばれる硬質の軸があるため、この軸が生地を貫通して表に出てきやすいので厄介です。ダウンは全体的に柔らかいため外に飛び出してくることはほとんどありません。

生地

ダウンジャケットを潰した時にゆっくりと空気が抜けていくもの(抜けにくいもの)が好ましいです。簡単につぶれてしまうものは保温効果に役立つ空気層が簡単に抜けてしまうため、風が吹いた時に対流が起きて熱が逃げてしまいます。ダウンジャケットはダウン自体が暖かいのではなく、ダウンが集まってできる隙間の「空気層」が熱伝導率が低く、体の熱を逃さないので暖かいということをおさえておきましょう。

ポイントは空気層をキープできるかです。できないケースがどんな場合かというとダウンを包む生地の目が荒くて空気が逃げてしまう場合です。何らかの動作をした時に空気が抜けてしまったり、強風で風が入ってしまい、冷たい空気が入ってきてしまうことが考えられます。したがって、ダウンジャケットの生地は目が細かく、密な生地が適していると言えます。緻密でシャイニーな見た目を嫌って、目の荒いざっくりとしたウール調の生地のダウンを選択すると、思いのほか暖かく感じないことがあります。目の荒いものはフェザーやダウンの「モレ」も気になります。ただし、内側に何か別の生地が層となって張り合わさっているている場合は別です。超軽量の薄い生地を用いているものは耐久性が懸念されるケースがあります。特にバックパックを背負う方は肩部のスレなどが気になります。

例えば高級品であるデサントオルテラインの水沢ダウンの生地もスレによる白化が気になります。これに関してはそのメーカーのダウンの生地と同等と思われるのものをメルカリ等の中古市場でチェックしてみましょう。使用後にどんな風に劣化してしまうかある程度推測できると思います。

フィルパワー

空気層の多さはダウンのボリュームで決まります。フワフワなダウンがたくさん入っていれば良いのです。フワフワではないダウンがたくさん入っていても、空気層が少ないので、無駄に重いものになってしまいます。フワフワの度合いはフィルパワーで表すことが多いです。同じ重量のダウンでも、質が高いものは嵩高でたくさん空気を含むことができるため、一つの目安になるでしょう。目安としては700以上あれば上質で、軽くて暖かいと感じることができると思います。

縫製

ダウンは通常縫製でパックを作り、ダウンの偏りを防いでいます。この縫製部分が保温性を低下させる要因になります。縫製の部分だけ厚みがなくなってしまい、空気層がなくなるので当然です。できるだけ縫製が少ない方が暖かく感じます。カナダグースのジャスパーやピレネックスのアヌシーは外側に別のレイヤーがあるのでこの縫製が見えることはありません。最近は縫製を無くし、接着させたシームレスダウンがユニクロからも発売されていますが、暖かさという意味では縫製品と大きな差はないでしょう。縫製でも、接着でも空気層が無くなることは変わりないため当然です。それよりもシームレスは縫製部分からのダウンやフェザーのもれ防止に大きく寄与しています。シームレスダウンは取り扱いに注意が必要です。別の記事で注意点を記載したいと思います。

おすすめダウン

耐久性、保温性最強ダウン

外側の生地が、非常に丈夫で長持ちします。しっかりと風も防ぐので、保温性も最強です。オーバースペックであると感じる人もいるでしょう。何せ氷点下でも対応できることが想定されているので、街中の暖房がきいたショッピングモール、電車内などに入ると汗ばんでしまうかもしれません。シンプルなので長く使えますし、オンオフ両方対応可能。これひとつあれば快適な冬となるでしょう。

カナダグース ジャスパー、シャーロット

ピレネックス アヌシー

機能性最強ダウン

オールウェザーに対応できる言わずと知れた高級ダウン。軽量、撥水、防水性、脇下のベンチレーション機能を考えれば、最強の機能性でしょう。ただし、使い込むと生地の白化やシームレス部の剥がれの懸念があります。丁寧に扱いましょう。これだけの機能があれば投資するのもありでしょう。

デサント オルテライン マウンテニア

コスパ最強ダウン

やはりユニクロです。この値段でこのクオリティー。参りました。特にこの数年でレベルがかなり上がっています。2、3万円のミドル価格帯のダウンに何ら劣りません。人と被ることが気にならなければ十分な性能を持ち合わせていると思います。

まとめ

ダウンジャケットは中身と外の生地、両方が良質であることが大切です。是非とも店頭で触って、着て選んでいただきたいです。良質なものは非常に高価です。しかし、暖かいですし、長く使えます。投資だと思って、1着良いものを持っておくことをオススメします。

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