シームレスダウンのお手入れ方法

通常のダウンは、表地と裏地を縫製してパック(ダウンが入る袋)を作り、ダウンの偏りを防いでいます。

シームレスダウンは、表地と裏地を接着剤で貼り合わせてパックを作っています。接着剤はおおよそポリウレタン樹脂を用いています。日本が誇るダウンジャケットの最高峰、水沢ダウンや低価格帯で販売されているユニクロのダウンジャケットもポリウレタン樹脂を使用していると思われます。生地と生地の間にポリウレタンを挟んで、熱を加え、圧着させます。ポリウレタンは柔らかく、よく伸びるため、人体の動きに追従しなければならない衣服の接着に最適です。シームレスにすれば、縫い目が摩擦によって切れることが無くなりますし、縫い目からダウンやフェザーが飛び出してくることもなくなります。しかしシームレスダウンにもデメリットがあるのです。

ポリウレタンの劣化

ご存知の方も多いと思いますが、ポリウレタンは、経年劣化します。理由は「加水分解」するからです。水分で分解していきます。それ以外にも、油分、熱、紫外線などの要因で劣化が促進されます。時間と共に少しずつ分解・劣化が進んでいき、着用していない時間も劣化は進みます。一般的に、製造した時から2年から3年くらいで、劣化が顕著になってくると言われています。

もちろん水分、熱、紫外線などを防ぐことで劣化の速度は抑えることができますが、完全に止めることは不可能だということを覚えておきましょう。

ハッキリ言いますが、シームレスダウンは消耗品です。とは言え10シーズンは厳しいまでも、5シーズン使うことができれば、まぁよくもったなという感じではないでしょうか?できるだけ長持ちする方法を以下に記します。

管理方法

クローゼットに入れていても劣化する原因となる加水分解を防がなければなりません。原因は水分ですから、湿度に気を配らないといけないわけです。特に梅雨の時期などにどんな環境に置いておいたかが重要です。できることならダウンジャケットを圧縮袋の中などに乾燥剤とともに入れ、外気に触れないようにすると完璧です。難しい場合も、クローゼットの中に乾燥剤を入れておきましょう。

洗濯方法

クリーニング店

ドライクリーニングはNGです。ポリウレタンはが、ドライクリーニングで使用する溶剤を吸収して膨張し、剥離してしまいます。クリーニングに出す場合は、事前にクリーニング方法を確認しておきましょう。溶剤を使うようでしたら別の方法にしてもらうか、やめておいた方が無難です。クリーニング店も全知全能ではないと思いますので‥。

シームレスダウンはウェットクリーニング(溶剤を使わずに水で洗う方法)で行いましょう。不安であればやはりシームレスダウンを熟知しているクリーニング店を探して頼むのが良いでしょう。クリーニング店によっては、もしかしたらダウンジャケットのウェットクリーニングはやっていないと言われるかもしれません。

セルフクリーニング

自分でやる場合はこちらを参考にしてみてください。ただし、通常のダウンジャケットと違い、よりデリケートに扱い、熱に注意することが必要です。

ポリウレタンが長期にわたって使い続けることができる最高温度の目安は80℃です。したがって、乾燥機の温度には注意が必要ですし、乾燥機中でグルグル回すこともできれば避けたいものです。何気に使用指定コインランドリーの乾燥機には電気式とガス式があります。電気式は乾燥に時間がかかるため、ガス式の乾燥機を設置していることが多いです。当然ですが、コインランドリーのガス乾燥機は家庭用の乾燥機よりも速く乾かすため、高温(80℃程度)になります。温度設定できるコインランドリーで、低温の60℃程度に設定して乾燥させるべきです。接着剤のはく離原因となることはできるだけ避けて、慎重に洗濯、乾燥をする必要があります。全ては愛するダウンジェケットを長く使うため。レッツトライ!

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