GORE-TEX(ゴアテックス)とは

ゴアテックスは、ゴアテックスメンブレンと言われるフィルムを用いた素材のことです。アウターウェアのみならず、シューズ、シュラフカバーなど、さまざまな製品に用いられています。ゴアテックス製品には全て刺繍やプリントで「GORE-TEX」の文字が入っています。繊維素材ではなく、貼り付けてあるフィルムに技術の核心があります。外側の繊維生地は基本的には撥水性能をもった、ナイロンやポリエステルが用いられますが、ウールやコットンが用いられることだってあります。このフィルムには目に見えない無数の気孔が空いており、外からの水分の侵入は防ぎつつ、内側からの水蒸気を逃がすことができます。基本的にゴアテックスの生地は、表地と裏地の間にゴアテックスメンブレンを挟んだ構造になっています。

ビニール製のレインウエアだと、防水性はあっても透湿性はありません。そのため、汗がレインウエアの外に逃げ出せず、水滴がついて曇ったり、衣服がレインウエア内部で濡れた経験がある方も多いと思います。ゴアテックスは、汗の水蒸気をウエアの外に放出してくれるので、内部が濡れるということは起きにくいと言えます。ただし、万能ではないので、水分量が多ければどこかで飽和し、水滴がついてしまいます。

層(レイヤー)の数

3層のゴアテックスは、ゴアテックスファブリクスの表地と裏地の両方に生地を貼り合わせたもの。裏地がある分丈夫ですが、重くなります。

2層のゴアテックスは、ゴアテックスファブリックスの表地にのみ生地を貼り付けたもの。価格が安い上に、軽量でコンパクトになります。汗によるベタつきを感じやすいことがデメリットです。

2.5層は、2層のゴアテックスメンブレンに保護フィルムを貼り付けたものになります。保護フィルムが貼ってあるため2層より汗離れが良く、快適な着心地が持続します。

GORE-TEXの種類

種類GORE-TEXGORE-TEX Pro GORE-TEX ACTIVE
用途オールラウンドハードユースアクティビティー
2 or 2.5 or 332 or 3
派生モデルC-KNIT BACKER
Paclite
MICRO GRID BACKERSHAKEDRY

ゴアテックスにはさまざまな種類がラインナップされています。正直種類が多すぎてよくわからないという方も多いと思います。簡単にまとめると大きく3種類。そしてその3種の技術をベースに少しづつ進化させたその他の種類があると考えるとわかりやすいと思います。その中で層の数が2層か3層か異なる場合があります。それぞれメリット、デメリットがありますので、使用するシーンに合わせて選ぶとよいでしょう。

GORE-TEX

最もスタンダードなモデルです。GORE-TEX Proほど重たくなく、GORE-TEX  ACTIVEより耐久性が高い、バランスのとれたゴアテックスです。2層もしくは3層があります。

GORE-TEX Pro

ゴアテックスのハイエンドモデルが「GORE-TEX Pro」です。3層構造になっており、耐久性・防水性が最も高いモデルです。冬山登山など過酷な状況に耐えうるモデルです。

GORE-TEX ACTIVE

透湿性と軽さを重視したモデルです。3層構造ですが、非常にコンパクトになります。登山以外にも、サイクリング、クロスカントリーなど、激しい運動をする用途に向いています。

派生モデル

その他の素材は上の3種類から派生したものと考えて良いでしょう。

GORE-TEX Paclite パックライト

GORE-TEXに用いられ、メンブレンに表生地を貼り、裏地をつけず、裏面にコーティングを施したもの。軽量性に特化しており、パッカブルなのが特徴となっています。

GORE-TEX C-KNIT BACKER C-ニットバッカー

GORE-TEXに用いられ、柔らかくしなやかな着心地を持つのが特徴で、快適性を向上させる技術です。裏地に非常に薄く、密でありながら軽い、丸編みニット(ジャージ)をつかっています。

GORE-TEX MICRO GRID BACKERマイクログリッドバッカー

主にGORE-TEX Proに用いられ、摩耗にも強い高耐久な3レイヤー地です。裏地にトリコット生地を使っています。

GORE-TEX SHAKEDRYシェイクドライ

表地がなく、ゴアテックスメンブレンを表地として使用しています。タグが通常は黒ですがこちらはグレーです。

GORE-TEX INFINIUMゴアテックスインフィニウム

こちらは非防水性ですので注意です。それ以外の透湿性や防風性に特化した新ブランドです。ダグは白色です。正直なところ、この素材をあえて選択する理由はないかと思います。

GORE-TEXのライバル

防水透湿性素材は、ゴアテックスだけではありません。

  • Patagonia(パタゴニア)の「H2No」
  • Montbell(モンベル)の「DRYTEC」
  • Columbia(コロンビア)の「OMNI-TECH」
  • MOUNTAIN HARDWEAR(マウンテンハードウェア)の「DRY-Q」

など、各メーカーさまざまな透湿防水性素材を展開しています。ただ、それぞれのブランドの多くはエントリーモデルに自社素材を採用していますが、ハイエンドモデルにはゴアテックスを用いているケースが多く見られます。それだけゴアテックスは優れているのでしょう。では各メーカーの透湿防水性素材が劣っているかというと、そんなことはありません。ゴアテックスも蒸れるときは蒸れます。私はパタゴニアのH2NoもモンベルのDRYTECも所有していましたが、どれも素晴らしい性能でした。使用した感じでは、ゴアテックスとの違いはほとんどわかりません。しかし、ゴアテックスは1976年から長い歴史があり、防水透湿性能はトップクラスであることに変わりはありません。クオリティとブランド力の高さから、ゴアテックスを選ぶ方も多いのではないでしょうか。

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