抗ウイルス繊維とは

コロナ渦でマスクが必需品となり、抗ウイルス製品にも関心が集まっていると思います。これまで日本では繊維製品の抗ウイルス性の定義はあいまいで、各メーカーが独自に評価していたが、数年前から、一般社団法人繊維評価技術協議会が、国際基準(ISO18184)に準拠したSKEマークによる認証ををするようになりました。抗ウイルスをうたう繊維製品はおおよそこの認証を受けたものです。

ではどのような試験を行うのでしょうか。繊維製品上に付着したウイルスの感染価(細胞感染性を持つウイルス粒子の数)が減少する度合いを確認します。

  1.  標準試料と抗ウイルス試料にウイルス液を接種する。
  2. 25℃で2 時間おく。
  3. 培地を用いて、試料に付着したウイルスを洗い出す。
  4. 洗い出した液を段階希釈し、プラークと呼ばれるウイルスが感染したことにより、細胞が変性している部分の数をカウントし、ウイルス感染価を測定する。
  5. (接種直後の標準試料のウイルス感染価の常用対数)ー(2 時間静置後次式により抗ウイルス試料)で活性値を算出する。
  6. この活性値が 3.0以上で認証されます。(毒性、変異性、皮膚刺激がないこと)

では渦中のコロナウイルスに対して効果があるかというと、これはわかりません。この抗ウイルス性は、例えばインフルエンザなど、特定のウイルスにおいて効果がある。ということなのです。この特定のというのは各社の製品によって異なるため、なんのウイルスに効果があるかは、各商品の説明文をしっかりと確認する必要があります。抗ウイルス性マスクであるからコロナウイルスにも効果があると解釈してしまうと危険です。

シキボウ株式会社が、抗ウイルス加工「フルテクト」を施した繊維素材が、コロナウイルスに対して抗ウイルス効果があるとの試験結果を得たと発表しました。ただし用いられたウイルスは現在流行しているコロナウイルスとは異なるものであるとのことです。現在流行しているウイルスに同様の効果があると推定しているようですがどうなんでしょうか。

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