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編機の分類
編機は大きくヨコ編機とタテ編機に分かれます。そこからさらにいくつかのタイプに分類されます。詳細は以下に記します。
ヨコ編機
ヨコ編機は平型編機と円形編機に分かれます。平型編機は左右に往復運動を繰り返し1コースづつ編んでいきます。ここで問題なのが速度です。往復運動なので、切り返し地点で速度が落ちてしまいます。そこで考え出されたのが円型編機です。1週したらそのまま2週目に繋げるため速度を落とさず連続で編むことができます。通常1週あたり1コース編み上がりますが、高速化のため、一気に20コース以上編める機会もあります。出来上がった生地は円型に編まれているため、筒状になりますので切り開いて反物にします。
平型編機
横編機
べら針を用いた平型編機です。島精機製作所がコンピュータを搭載した横編機で圧倒的なシェアを占めています。「ホールガーメント」と呼ばれる一着丸ごと立体的に編み上げる、縫い目のない編物を作ることができる編機で有名です。
フルファッション編機
ひげ針を用いた平型編機です。フルファッション編機はイギリスのアイザック・ウィリアム・コットンさんが発明したため、コットン式編機とも呼ばれます。これは、同時に同じものを複数編むことができる編機です。大量に生産することに向いています。その分かなり横にでかい編機です。
円型編機
針が設置されている針床が円形になっているものを円型編機といいます。丸編機と靴下編機があります。
丸編機
べら針を用いています。円形を描きながら編んでいき、筒状の生地が出来上がります。シングルニードルのもの、ダブルニードルなどがあります。
靴下編機
ひげ針を用いています。針が水平放射状に設置されています。同じく筒状に編まれます。歪みのない安定した編目の美しい編地ができます。
タテ編機
タテ編機がヨコ編機と決定的に違うことは、あらかじめタテ糸を整経して準備しておく点です。タテ編機はあらかじめ整経したタテ糸を生地幅に並べて、隣のタテ糸同士を絡めて生地を作っていくイメージです。タテ編機は大きく3種類の機会に分類でき、トリコット編機、ラッセル編機(ラッシェル編機)、ミラニーズ編機に分かれます。
トリコット
ひげ針を用いたタテ編機です。先端が釣り針のように曲がった針を使います。 針床が1列のものをシングルトリコット、2列針のものをダブルトリコットといいます。 筬枚数は1〜4枚の程度であり、比較的複雑な柄表現ができます。
ラッセル
べら針を用いたタテ編機です。(一部ひげ針あり)。2列針床で多数の筬を使うことができます。 1列針床もありますが、2列針床はラッセルの代名詞「ダブルラッセル」で広く知られています。地厚のメッシュ状の生地ですね。筬数はトリコット機の1〜4枚に対して、ラッセル機は4〜10枚程度まであり、様々な柄表現が可能です。
編針について
ひげ針
ひげ針は針の動きに加えて、プレッサーと呼ばれる板がひげ部を押さえるたり離れたりすることで、針が閉じたり開いたりして編んでいきます。現在ではグロッツベッケルト社(ドイツ)がこの針を作っています。編機はひげ針方式からスタートしました。
べら針
フック状の針に、上下に動く小さなべらと呼ばれるパーツが取り付けられたものです。このべらが上下に動くことで、フックが開いたり閉じたりします。開閉や糸のかかり方を針の動きでコントロールできるため、様々なバリエーションの組織を作ることができます。べら針は、多様な形状や大きさがあり、編機によって適切な針を選択する必要があります。